私がどんな人間か、見てちょうだい……
アルフレッド・ヒッチコック監督 1960年製作
主演アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー
シリーズ「ヒッチコック作品巡りの旅」
第7弾は誰もが知っている「サイコ」です。
おそらく1番有名なヒッチコック映画ですよね。
今回はちょっと語りたいことがあって、のっけから少しネタバレ気味なので、そのつもりでお読みくださいm(_ _)m
まず、タイトルデザインの話を。
今回もタイトルはソール・バスです!
バーナード・ハーマンのエキセントリックな劇伴と共に、縦横のバーが走る走るεε=(((((ノ・ω・)ノ
当然、古典的なクレジットの静止画や文字をスクロールするような映像はありません。
昔は単純にオシャレだなぁとか思ってましたが。
でも、今回、気づいちゃいました!
キヅイチャッタ、キヅイチャッタ、キヅイチャッタヨ~~~
あくまでも、僕の個人的な見解ですが、この縦のバーと横のバーは、今作のマリオンとノーマンの関係をイメージしていると思うんですよね。
最初の縦のバーはマリオンのこと
映画はマリオンの逢引シーンから始まります。
そして、彼女の4万ドルの持ち逃げ。
ここまで観ると、映画はマリオンの逃走劇かと思いますよね。
しかも、運転シーンは執拗にマリオンの動揺を描いている。マリオンメインの演出。
そこにノーマンのストーリーが絡んでくる。
それが、横のバーです。
ノーマン・ベイツという人間が登場。
ベイツ・モーテルの管理人。
病気の母と2人で暮らしている。
たまたまそこにマリオンが泊まったんです。
ノーマンはマリオンのお金のことを全く知らなかったし、もちろん、マリオンもノーマンと母親のことを知らなかった。
本来、この2つは全く別々の話で、偶然交差しただけ。
しかし、縦糸と横糸が絡まりました!ターテノイトハ、アナター
そんな映画の展開をオープニングのタイトルで示していたとは思いませんか?
そして、もう1つ。
前作の「めまい」同様、この作品は前半と後半で、別物の姿を見せます。
あの超有名な殺人シーン
あそこから映画の様相が変わりますよね。
観ている僕らは、みな犯人が分かっています。
だから、映画のポイントはそこではないんです。
そう、あの縦のバーと横のバーはノーマンと母親でもあったんですね。
格子は二重人格を現していた。
そう考えると、実に秀逸なタイトルだと思いました。
まぁ、事実は分かりませんけど( ¯−¯ )フッ
でも、そう考えると面白いでしょ?
映画の演出で優れているのは?
1番はモノクロで撮ったことですよね。
これが実に効果的( ˘ ˘ )ウンウン
特に、モーテルから見上げるノーマンの自宅が怖い😱
悪魔の棲む家(笑)
あと、初めて知ったんですが、アマンダ役のジャネット・リーは、ジェイミー・リー・カーチスのお母さんでしたか!
知らなかったなぁ。
美しいのは妹ライラ役のヴェラ・マイルズでしたが……
ついでに……
前に観た時も気になったんだけど。
今作には鳥がいっぱい出てきますよね。
街の名前はフェニックス
ノーマンの部屋の鳥の剥製
マリオン・クレーン(鶴)という名前
もちろん、2人の会話に出る鳥
これ、次作の「鳥」の布石なのか、ここで使ったから「鳥」を思いついたのか、とか思っていたら、どうもヒッチコックは「大きな変化の予兆」として、鳥を出すんですって。知らなかったな٩(×_×)۶
やっぱり面白いよねぇ。
アメリカの有名な殺人鬼エド・ゲインがモデルとも言われる今作。僕の大好きな「羊たちの沈黙」などにも繋がるサイコキラーのはしりです。
ぜひ、ご鑑賞ください( •̀ω•́ )و✧
【おまけ:ヒッチコックを探せ!】
マリオン・クレーンの務める店のシーン。
ドアの外に立ってました!
ガラス越しに見えましたね(^-^)