才能の煌めきを欠いた思わせ匂わせ超長尺劇
ざっくり言えば家族を殺された遺族と殺した人間の巡る因果の物語。
最終盤の生死の対比描写とエンドテーマなどから、監督自身は「罪と罰」「生と死」に対し非常なる高みの境地に達していると推察されるが、如何せんご自身の高尚なイメージを映像化するにあたり観客置き去り、自己陶酔・自己満足に浸りきってしまう傾向があるようだ。
時間軸やエピソードをかなり錯綜させているが論理的というよりは的外れの直感的。
そこには才能の片りんを感じることは微塵もできず、意味不明さと単なる冗長さにこちらが苦しめられるだけでしかない。
見始めて程なく監督が誰かということが気になり、イライラと共に監督に対する怨嗟の念が募っていった。
視聴後にさっそく調べて「楽園」の監督と知り、極度の自己陶酔性に合点できた次第。
その他の作品は知らないし、できれば今後は回避したい。
具体的に名前は出さないが、もし別の監督だったら4時間半というウルトラ長尺にせずとも、2時間半から3時間程度には凝縮し、なおかつこちらにも劇的な感情体験をもたらしてくれたに違いない。
本作監督:瀬々 敬久(ぜぜ たかひさ)という名前は忘れずに記憶しておきたい。
マイナス三つ星
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