長編全9章で描かれる様々な人生のタペストリー。278分…内容的に、考える余白も含めて、間を取りながら観ていられるので、そこまで長くは感じませんでした。
様々な感情を映し出す事でエントロピーが増し、罪に対するインパクトが薄れていく…それをメインに描いた作品ではないんですよね。それを下敷きにした、人々の生き方と選択とを見せてきます。
やっぱり日本人の罪や罰に対する感覚は粘性が高いなぁ…と俯瞰して観ていました。
なんとレビューすべきか…とても迷わされた作品。心に響いたかと問われたら、響きはしないけど、残ったと答えます。
2010年の罪と罰…と謳われていたので、ドストエフスキーなのかと思ったら、思ったよりサルトルの実存主義的な描かれ方。
時折、復讐は美化して描かれるけれど、現代にそれを落とし込むと、こうも毒々しく映し出されるんだな…って怖くなった。
世界がどうであっても、人は産まれて、生きて、死んでいく…新築の高層住宅群が建てられる一方で、炭鉱町の廃屋は打ち捨てられいくし、それをそのままにして時間は流れていく…それが現実。
寂れたアーケード商店街と、人で溢れる巨大ショッピングモールの方がわかりやすいかな?
ツギハギだらけの現実。
錆びた鉄みたいな現実。
それをどうにか綺麗に見せてる。
それが私達の日常と選択の結果。
感覚的に『悪童日記』とか『未来を生きる君たちへ』に近い。知ってるはずの事を忘れて、また思い出す…愚かなルーティン。
自分に対するヘイトがジワリと来る。
でもまた、そのうち忘れるんだろうな。
無意識にそれを選択してしまう…
世界が壊れないように。
罪を罪で裁くべきではなく…
罰が罪であるべきではなく…
なら、どうすべきなのか?
誰もが納得する解は?
堂々巡りしてるうちに忘れてしまう。
私はトリ頭だからな(*´-`)
んー…内容と長さの割に、響かないな。
私の感情が鈍麻しすぎてんのかな?
スコアは当たり障りないぐらいで(苦笑)
エピソードについて掘り下げて考えもしたけど…どれも生煮えなので、しっかり火が通ることがあれば、いずれまた(´-ω-`)