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四月の魚のbrianのレビュー・感想・評価

四月の魚(1986年製作の映画)
4.5
四月の魚(ポワソン・ダヴリル : Poisson d'avril)とは、4月1日エイプリルフールに魚の形をしたチョコレートに愛のメッセージを添えて意中の人へ贈るフランス式バレンタインのこと🐟

全編に渡って軽やかなテクノポップが流れて気持ちが穏やかになりながら鑑賞できた。テクノポップの原型はフレンチポップである。
フランス料理のフルコースを作る工程をカメラは丁寧に映している。冴えない映画監督の根本昌平(高橋幸宏)がキッチンに立って御託を並べる台詞は脚本を担当しているジェームス三木の真骨頂だろう。まさか中原中也の詩を引用するとは驚いた。
白を基調にしたテーブルと食器に乗せられたフランス料理を俯瞰で撮影する。NHK今日の料理・特別編といったところか。

ドイツ表現主義やヌーヴェルヴァーグをモチーフにした作品で色々な映画の手法を観ることができる。有名な映画の題名を耳にすることもおもしろい。映画はジャンルにとらわれない自由な発想が大切なのかもしれない。

ユキヒロさんは歌い方と同じように喋り方や表情や仕草は気取らずに力まず自然体なので好感が持てる。
丹波哲郎どうしたんだよ。怪演というレベルを超えてしまった笑。
主人公の脇を固める大林組(建設会社ではない)赤座美代子、入江若葉、峰岸徹は安定の演技。泉谷しげる髪フサフサでワロタ。新人・今日かの子はこの作品だけの一発屋女優。ちょいと烏丸せつこに似ている。
フレンチブルドッグが人間の声を出しながら目をキョロキョロさせて愛嬌を振りまいている🐶

丁度バブリーな時代。遠いあの頃が1番楽しかったなぁ、なんちゃって。
監督は「転校生」「時をかける少女」「ねらわれた学園」など多くの青春映画を手がけた邦画界のジェフ・リン(ELO)こと大林宣彦。

ユキヒロさんあの世でも中折れ帽をかぶりスーツを着こなしてオシャレにキメてるよ。

Saravah!

四月の魚(1986)予告編
https://youtu.be/VZv_NKu1qsA
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