凛

東京人間喜劇の凛のレビュー・感想・評価

東京人間喜劇(2008年製作の映画)
4.0
第33回東京国際映画祭にて鑑賞。
深田晃司監督・古舘寛治・荻野友里・山本雅幸Q&A

2008年、深田晃司監督28歳の時の作品。
劇団青年団と一緒に撮った。
バルザックの人間喜劇にインスパイアされて東京の人間喜劇を作った。
とても面白い。

「白猫」「写真」「右腕」の3部作。

それぞれの会話は設定だけ決めてアドリブだったりライブ感がある。
写真展に誰も来ないエピソードは監督が過去の映画を誰も観にこなかった話から。

物や人物が次の話にも繋がっていて、ゴミ袋は最後に回収される。
「白猫」の女性の夫が「写真」の画廊のオーナーと少しずつ関連があるので見逃せない。

「人生は近くで見ると悲劇だけど、遠くから見れば喜劇」というチャップリンの言葉通り、笑えない話の連続。
「右腕」はかなり重たいしラストのどんでん返しはゾッとする。

昔の作品を前にして何かと謝る深田晃司監督。
やはり今観ると手直ししたくなる部分もあるようで。
しかし、28歳でこれだけの作品を作れるとは凄い。
その後の作品もとても素晴らしい。
凛