Aircon

レディ・イン・ザ・ウォーターのAirconのレビュー・感想・評価

3.4
前評判だけは知っていたから多少は覚悟して観たけど、たぶん多くの人が何を感じたのか、あまり言語化されていないけど、わかった気がする。

物語が進む中で、目的や条件や方法がいろいろな文脈からどんどんと提示されていくのだけど、そのすべてに説得力を持った根拠が用意されていない、という点。
序盤の韓国人のおばさんが東洋のニンフの話から彼らの生態の設定をすべて教えてくれるところから、目的とそのための方法、そこからさらに派生した、通訳役の方法提示、さまざまな係と、なんの根拠もないが「そういうもの」としてひたすら押しつけられる。
「そうなんだ〜、よくわからんけどそうなんだね〜」しかない。ひたすら。

ただ、ここまで突き抜けてくると少し斬新さが出てる感じも。
そこをどうでも良いとできてしまう、シャマランのバランス感覚のおかしさみたいなものが突き抜けてはいる。
ご都合主義の極みみたいな構造で逆にすごい。
物語の目的や条件や方法をなんの根拠も説得力も無く生み出し続ける。
つまり、「意味」が物語と観客を結びつけているのに「意味」が用意されていない、的な状態。


ブライスダラスハワードはヴィレッジ、マンダレイとはまた違う雰囲気。
というか違う顔にも見える。
Aircon

Aircon