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レディ・イン・ザ・ウォーターのkmtnのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

物語、神話についての映画。


2005年公開の 「ハリーポッターと炎のゴブレット」の監督を打診されたシャマランは「ライフ・オブ・パイ」を映画化したく、それを断ったという。
結局は「ライフ・オブ・パイ」はアン・リーの手によって映像化され、代わりにシャマランはこの作品を撮った。


物語を物語ることの意味について、前述の「ライフ〜」は分かりやすく観客に示してくれているが、本作も言わんとすることは同じであると思う。
何故、物語(神話)は存在するのか。それはただの虚構なのか?
現実と戦う為に物語は存在し、そして我々はそれにこうも翻弄されていくのではないだろうか。


もう10年ほど前に出版され話題になった「サピエンス全史」によれば、「虚構を仲間同士で共有できるようになったこと」(認知革命)から我々ホモサピエンスの大きな飛躍は始まったという。
物語についての映画というと、一見小難しそうであるが、我々が根源的に(正確には約7万年前に)身につけている能力についての作品。


シャマランにしてはドンデン返しのオチがなく、当時はかなり叩かれたということであるが、そういうつもりで観れば面白くない映画でもない。


アパートの住人たちが織りなす人間模様はちゃんと面白いし、ポール・ジアマッティはいつも通り人生に煮詰まっている。
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