くぅー

ミラーを拭く男のくぅーのレビュー・感想・評価

ミラーを拭く男(2003年製作の映画)
3.7
主人公は定年間近の真面目なサラリーマンの親父、運転中に自宅近くのカーブ・ミラーで、小さいながらも初めて人身事故を起こす・・・が、それが原因で、まるで糸の切れたタコの様に、突如家出をして自転車で全国のカーブ・ミラーを拭く旅に出るが、やがてテレビ局が食い付き、その行為が独り歩きする中で、逆に交通事故に遭う。

そう、交通事故、家族、マスコミと大衆、老後等々、意外に盛りだくさんのテーマが見え隠れするのだが・・・親父のミラーを拭く行為の理由を明示はせずに、"?"は必至ゆえ賛否は必至。

でも、その理由付けが無意味の境地にも見えて来て、微笑ましくジワジワと楽しむ自分が居た。

そして、"(交通事故は、)轢いた方も轢かれた方も、家族はバラバラになる。"との台詞があるのだが・・・希望の見えるラストはまるで合わせ鏡みたいで、思わずニヤリ。

キャストでは、円熟の緒方拳が今回は表情で魅せ切り・・・久しぶりの栗原小巻もいいし、津川雅彦に大滝秀治らのベテランのサポートにニンマリ。
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