真魚八重子

クトゥルー・モンスター/キンドレッドの真魚八重子のレビュー・感想・評価

4.0
80年代のホラー映画って、粘液が流行だった。70年代はもっと即物的な鮮血や殺害に目覚めた時期で、それが80年代で一種の汚物としてのどろどろの液体が一世を風靡する。これも非常に濃い粘液が顔とかにかかってくるタイプ。
これは途中で一番の美人が、すごい特殊メイクでどんどん顔にエラのようなものができてきて、肌が裂けて面貌が崩れる様子がすごかった。
あと、彼女が瓶に入ったタコの子どもみたいな新生物を見ているうちに、突然飛び出そうとするから、戻して蓋を閉めようと葛藤するシーンもとても良かった。五分五分の戦いで互いにしぶとい。タコはこの時期らしく後頭部が張り出してちょっと陰茎を想像させるような形をしている。

彼女の病気の理由ってなんだっけ?説明されてたかな。

タコが断末魔をあげながら姿を変えていくんだけど、おもちゃのタコみたいだったのが、ほぼ人間の形態になるあたりの薄気味悪さが、悪意があっていい。こういうのが大事だと思う。
ラストで意外に大勢生き残るのも良い。登場人物がほとんど死んでしまう映画って無為というか、観てるだけで徒労感が湧いてくるけれど、これは爽やかだった。キャラにちゃんと意味があるから役割を果たすことになる。
真魚八重子

真魚八重子