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落穂拾いのchaooonのレビュー・感想・評価

落穂拾い(2000年製作の映画)
3.8
現代の”落穂拾い”たちにアニエス・ヴァルダ自らカメラを片手に密着するドキュメンタリー作品🎥
監督自身の姿も時々登場!このジャケのマダムは監督だったのか!
冒頭と終盤にラップまで披露してるのも監督の声よね?🎤

ミレーの代表作である絵画「落ち穂拾い」は、農民の女性が収穫後の麦畑にこぼれ落ちた稲穂を拾い集めている様子を描いたもので、これは最も貧しい農民が行う辛い労働に当たり、当時の農村社会の最下層にいた人々を同情的に描いたもの🖼

パリの市場や田舎に赴き、拾い人を追う。
田舎の農場の収穫後に残った廃棄予定の食物や町に捨て置かれた廃材。
拾う理由は昔ながらの貧しさや過酷さが理由のものもあれば、政治的・社会意義的な訴えだったり、趣味や創作活動だったり、自身の安息を得る目的と、様々。
自分のためだけでなく近所に分け合うことをイキイキと話すおじちゃんも。
レストランのミシュランシェフだって拾いに行く。

廃棄するものならいいじゃない、って思うところだけど、よく思わない生産者も。
もっと寛容になるべきと説く監督は、ズバリ生産者にもインタビュー。
中には節度を持たず自分本位な拾い人もいるからしょうがないか。

ガラクタからアートを制作するルイ・ポンスってアーティストが紹介されてて、作品がとても好きな感じだったけど、検索しても出て来ない🥺
監督もゴミから拾ってきたガラスの時計は針のない時計。
時の流れが見えない、私にぴったり!という監督素敵❣️
誰かにとってはゴミでも、別の誰かが手にすることで、とても重要な意味を持つものに変化していく様は面白かった✨

拾うのは何も物だけじゃなく情報を収集することも”落穂拾い”だと語る監督。
”落穂拾い”たちを拾う監督自身も”落穂拾い”とはなるほどなと。
道行くトラックや大型ダンプをシワシワの手で囲むようなショットを繰り広げる監督の遊び心も可愛らしいかった✨
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