こめ

落穂拾いのこめのレビュー・感想・評価

落穂拾い(2000年製作の映画)
3.0
落ちたものを食べる人が理知的な猿に見える。
人間もハート型のジャガイモみたいに優生でないと見なされたものは社会からこぼれて、優生的な社会に生きてる人から見えないようにされる。そういう視座から見えないようにされている人間の生活が映っているから見てはいけないものを見ている気持ちになる。でもそれが生々しくて湿っぽく描かれるわけではなく、軽快に画面は映っていく。その軽さや中断が心地よく見れた。
 
落ちたから食べない、で思考をストップしていたけど、ゴミ袋の中にあっても落ちていても食べ物にとって大事なのは食べれるかどうかのグラデショーンで、自分はそれが商品か廃棄物かの二項対立でしかモノを見れなくなっていた。匂いとか見た目とか、モノそのものの状態よりも賞味期限で食べれるかどうかを判断するのは情けないやり方だと思った。

ゴミ処理場の煙がライトに照らされて、夜から浮かび上がって見えるシーンが良かった。
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