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マホルカ=ムフのtntnのレビュー・感想・評価

マホルカ=ムフ(1962年製作の映画)
3.9
ハインリヒ・ベルの原作は日記であり、日記とは主観的視点から、信頼できない語り手を設定できる。映画において、原作のテキストはほとんど忠実に引用されているのに、主人公が歩く街並みも、夢と現実の垣根もあっさりわかってしまう。日記と映画というメディアの違いは面白いと思った。映画の中で強調される西ドイツの再軍備という時代背景が、全て新聞記事で説明されるのはストローブ=ユイレらしい。(映像の優位性をテキストが転倒させる)
オープンカーが街を走る様をゲリラ的に描くのは、ヌーヴェル・ヴァーグの台頭にも重なる。頭おかしいほど速い編集と音楽の過剰さ。
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