【西欧の欺瞞を暴く!】
リアルタイムで劇場で鑑賞した作品。渋谷ユーロスペースで。如何にもハネケらしい難解不愉快奇々怪怪な作品となっている。
そのあまりに唐突(?)なオチには愕然となったが、全編に於いて視覚的なハッタリが効いている。ある意味ヒッチコック的な日常風景の異化が行われている極めて知的な作品である。
監督のミヒャエル・ハネケは人間の理性に揺さぶりを掛ける演出が凄まじく、この映画でも残虐なシーンはちょっとしか出ないのだが、相当ショッキングで冷酷無慈悲としか言いようがない。😱
送られてきたビデオテープ📼に映っているいつもの風景が次第に歪み始め、主人公のブルジョワ夫婦(偽善的支配階級)とアルジェリア人男性(被支配者側)の私怨が相互にぶつかり合う発想はハネケらしく非凡そのもの。
現代のフランスを舞台にした政治的意図タップリな作品で、絶頂期のブニュエルやパゾリーニ、大島渚を彷彿とさせる不条理モノの秀作だと思う。
「まず、たしからしさの世界を捨てろ」(ex.中平卓馬)
最終的に人種差別を超えた子供たちの和解で終わらせるラストシーンで少し希望が持てる内容になっている。(それにしてもイビツで分かりにくいのだが…😓)