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暗殺の森の10000lyfhのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
2.5
ファシズムの吹き荒れる第二次大戦前 1938年のイタリアで、恩師の大学教授の暗殺を命じられた秘密警察の男、そのプチブルノンポリ妻、男が恋した教授の若妻をめぐる四角関係、愛や信頼を裏切る暗殺現場、そしてファシズムの崩壊まで。エモーショナルなドラマのはずだが、入りこむことなく、距離を感じながら進行を眺めた。監督ら製作陣の姿勢として、ファシズムを、ドラマの使い勝手の良い背景として利用しているように感じられた。映画技術は高い。終盤以外は、暗殺当日のフラッシュバックとして、過去の経緯が提示される。だだっ広い空間(大臣職務室や屋外精神病院)、不安を醸し出す傾いた画角、暗殺直前の車 3台睨み合いのロングショットなど、印象的な映像が多い。洞窟の比喩をファシズムになぞらえ、暗示された女性の同性愛が自由を象徴し(古。。)、と表象も巧みに操る。ただ、すっごく普通の映画、自分本位に言うなら、観る前と後で自分の中に何の変化も起きなかった的な。音楽は「軽蔑」のドルリュー、まぁ普通
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