不在

暗殺の森の不在のレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
3.8
明と暗、青と赤、静と動など、対比の効いた絵作りと、モダンなショット。
撮影ヴィットリオ・ストラーロの手腕が光る。

近年では多様性に対する意識も変わりつつあるが、撮影当時の1970年、ましてや舞台となる1930年代においては、マイノリティは徹底的に弾圧されていただろう。
そんな時代に所謂"普通"の指標となるのがファシズムへの傾倒とは、なんとも生きづらい。
しかも彼は、それにすらのめり込むことができない。
彼の思い描く"普通"が全て崩壊した今、マルチェロは何を頼りに生きていくのだろう。
不在

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