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暗殺の森のadeamのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
2.0
ベルナルド・ベルトルッチのキャリア初期の代表作。
第二次大戦前夜、自身のアイデンティティと世間の調和に苦悩し、当時台頭したファシズムに傾倒していく男を描く物語です。
年齢にそぐわぬ重厚さな演出を見せるベルトルッチの早熟ぶりだけでなく、名カメラマンとして知られるヴィットリオ・ストラーロの見事な色彩表現も既に完成されているのが驚きでした。
しかし内容はあまり楽しめず、性的指向とイデオロギーと人生観が混同され、未整理のまま羅列されていた印象でした。
政治思想のためなら恩師も愛する人も見捨てる非情な殺し屋の生き様をもっと太い軸にして、そんな生き方を選んだ背景にパーソナルな部分を仄めかすくらいのメリハリがあっても良かった気がします。
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