のんchan

暗殺の森ののんchanのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
4.5
ジャケ写も変わって【4K修復版】をU-NEXTで観られる幸せ。
11月の午前10時で観ようと思ってたけど我慢できずに初鑑賞。

ベルナルド・ベルトルッチ監督、弱冠29歳での制作って世の中のベテラン監督は焦っただろうな〜。底知れない恐ろしさを感じるものね。
映像美にうっとりしまくり、優艶な色使い、計算されまくりな構図が斬新でお洒落で素敵。その素晴らしさは光の魔術師だけある当時30歳のヴィットリオ・ストラーロ。
このコンビでは誰をも寄せ付けませんね。

内容は一回観ただけだと理解し難い感じもあるけど、雰囲気を掴んでいればokな気もした。
とりあえず筋書き云々置いても映像美、ファッションだけで大満足になってしまう。


13歳でゲイの青年に襲われたマルチェロ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は銃殺してしまう過去を持っていた。その思いが吹っ切れずトラウマとなり、大人になってファシズムへと傾倒する。
ブルジョワの娘ジュリア(ステファニア・サンドレッリ)と結婚するが、それは逃避の手段でしかなかった。
大学時代の恩師で反ファシズム運動の支柱であるクアドリ教授の身辺調査を任されて、新婚旅行と称してパリへと旅立つ。
パリではクアドリの美しき若き妻アンナ(ドミニク・サンダ)に魅了されてしまう。
組織から指令があり、その調査は暗殺へと変わっていく。
天真爛漫なジュリアと退廃的なアンナは男たちの動きは知らず、社交場で女同士でタンゴを踊る。上手い下手ではない、若いけどその妖艶さたるや、圧倒される美。
それからマルチェロの思惑とは別の結果が待ち受ける...


トランティニャンにピッタリの役だった気がする。優男だけど、結局は何の役にも立たない...人生の負け犬を上手く演じていた。

女性2人は美しさ満開。
ドミニク・サンダは19歳の若さだったとは?

しかし20代でこれを作れるかな?
ストラーロのセンスとの相乗効果なんだろうな。
ベルトルッチの感性は大好き。
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