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暗殺の森のよのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
4.5
(初回感想)
普通になりたいばかりに大衆に迎合することは、見苦しいを通り越して危険であるらしい。

(二回目感想)
あらゆるカットが美術館の絵みたいだ。女性を撮る構図は印象派を彷彿とさせるし、セピア色の光の当てかたはロマン派のよう。建物の見せかたなんか、私の好きなキリコにそっくりだ。
そのなかに時折、いや頻繁に、息を呑むほど美しいカットが現れる。ストーリーの毒々しさを忘れて、見ているだけで泣きそうになるほどだ。
ベルトルッチは、いったいどんな目を持っているのだろう。

ストーリーも形而上的で好きなのだが。解説などには触れずに、分かるまで何度も観たいと思わされる。
よ