Sari

暗殺の森のSariのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
4.0

2018/01/02 シネフィルWOWOW
2018年 3本目

〈ストーリー〉若い哲学講師のマルチェロは少年の頃、彼を犯そうとした男を射殺した罪悪感に今もさいなまれていた。その苦しみから解放されるためファシズムを選択した彼に、パリ亡命中の恩師である教授を調査するよう密命が下る。

第二次世界大戦前、イタリアを席巻していたファシストの風潮。この重く暗いテーマに付いて行けるのか心配していたが案の定…
この当時の時代背景を知らぬまま観た私にはとても難解な作品で一度観ただけでは十分理解は出来なかった。
しかし他にも様々な切り口あり。
主人公を翻弄する二人の全くタイプの違う女性の同性愛的なシーン、そしてダンスホールでのタンゴを踊るシーンの退廃的な官能美は他に類を見ないほど美しい…。様々なシーンで視覚的に訴えてくる映像美が素晴らしく、緻密に計算されたアングルはまるで一枚の絵ハガキを観ているよう。そしてパリの街を包み込むような深いブルーは息を飲むほど圧巻の美しさ。
Sari

Sari