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暗殺の森のscarfaceのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
3.6
第二次大戦前夜のイタリア、そしてフランス。あるファシストを主人公とし、ファシズムとアイデンティティーを描いている作品。全体主義と個性。相反するものですが、これを考えるのは非常に重要だと思います。集団の中に自己を見出すのか、自分の内面から自己を見出すのか。
あと、この映画は撮影がカッコよすぎです。前作”暗殺のオペラ”に続いて撮影監督ヴィットリオ・ストラーロとのコンビが確立された作品らしく、本作以降も数々の作品でタッグを組んでいます。
最後に面白いエピソードをひとつ。
ベルトルッチはゴダールをずっと慕っていましたが、この時期ゴダールはマオイズムに傾倒しており、ベルトルッチを資本主義の犬と非難していたそう。ベルトルッチは初期にはゴダールぽい作品を作っていたのに、本作では彼との決別を言い渡すかのような作風でゴダール批判満載となっています。(子供のケンカかw)
公開後、ゴダールにカフェに呼び出されたベルトルッチが待っていると、現れたゴダールから一言もなしに一枚のメモを渡されたそう。それは本作の批評で、こう書いてあった。「人は闘わねばならない。帝国主義や資本主義と。」しかも毛沢東の写真に書かれていたと。ベルトルッチは頭に来てその場でビリビリに破いたそうです。(子供のケンカかw part2)
ファシズムを描いているけど、ファシズム礼賛映画ではないと思うけどな〜。
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