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しなの川のryotaのネタバレレビュー・内容・結末

しなの川(1973年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

トンデモ映画をまた発見。いやあ、色んな意味で面白い映画でした〜!こんなに心が揺れ動かされたの久しぶり〜!

まず、問題の由美かおるさんのヌードについて。これ、全然綺麗でも無いしエロくも無いです。そもそも、この映画に必要?ってくらいの出方で、後の水戸黄門の入浴シーンと通じるものがあるのではと頭が混乱して面白かったです。そもそも、由美かおるさんって、「エスパイ」「ゆうひが丘の総理大臣」「水戸黄門」「オロナミンC」くらいの、にわかファン(ファンて言っていいのか?)なのですが、この映画は由美かおるさんじゃないと最低最悪の映画になってたと思うので、そういう意味では貴重な女優さんであることは間違いないと思われます。なんで脱いだの?

何よりこの映画って、勝手わがままなビッチ娘の男性遍歴をさも文芸大作映画っぽく作ってるところがすごいです。ここに出てくる男性陣がことごとく可哀想になります。でもね、由美かおるさんの魔性と言いますか、彼女の可憐そうな表情見てると、完全にペースのまれるんですよね。少女時代の雪絵(役名です)は可愛いけどちょっと生意気な感じだし、セーラー服の女学生雪絵は大人になりかけでイケメン先生好きになって関係結んじゃうし、駆け落ちバレて実家に帰ってきた雪絵も洋服とか髪型がモダンになってて可愛い。最後はあなた、花嫁となって白無垢ですよ。これほんと、騙されるわあ。いわゆる「悪女」ということではなくて、「これが女のサガ」って言い切っちゃう潔さもある意味素敵で、騙された(騙されたわけではなくきっと彼女に全力で惚れてしまった)男どもも悔いはないでしょう。昭和感満載のジメジメした空気感と相まって、実に楽しい映画体験ができました。胸糞映画にならないギリギリって感じかな。

いいですねえ、昭和。というかこの時代の感じ。丁稚奉公とか女学生とか共産主義とかね。その時代に生きてたら、雪絵(由美かおる)に出会いたかったぜ。
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