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ビハインド・ザ・サンのdesperadoiのレビュー・感想・評価

ビハインド・ザ・サン(2001年製作の映画)
4.0
圧搾機やブランコ、ロープ遊び等の繰り返される単調な動きが、終わらない報復の連鎖に囚われているキャラクターの境遇と重なる。牛が…!のシーンはロドリゴ・サントロの表情が見事で、観ているこちらも底知れない虚無感に襲われた。

この後『モーターサイクル・ダイアリーズ』『オン・ザ・ロード』とロードムービー(未見だが『セントラル・ステーション』もそうらしい)を手掛けるウォルター・サレスの作品だけあって、風景の捉え方がやはり上手い。黄色く乾いた大地と抜けるような青空の対比にもハッとさせられる。

主人公一家が暮らすのは「魂の川」という場所で恐らく架空の地名だろうが、ブラジルの北東部の乾燥した土地となると、バルガス=リョサ『世界終末戦争』で登場するカヌードスも似たような雰囲気だろうかとふと思ったり。
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