ダイナ

カンバセーション…盗聴…のダイナのレビュー・感想・評価

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)
4.4
コッポラ監督のサスペンス映画。主役のジーン・ハックマン。前年公開された「スケアクロウ」での危ないオヤジキャラ像とは打って変わり、物静かで思い詰めていく仕事人の姿を演じています。脇にはジョン・カザールやロバート・デュヴァルのコッポラのGF組の姿も。盗聴のエキスパートがとある依頼の取り掛かり中に殺人計画を知ってしまい、精神が揺らいでいく姿が映されます。

音楽がかなり印象的。要所で採用されるテーマ曲の妙に耳に残るピアノが美しいのに嫌な不安も感じさせてきて不思議。そしてロケーション、彼らの仕事場の隠れ家感というか秘密基地チックな感じが好きだったりします。鉄骨が等間隔に並んだ開けた場所でバイク乗り回してるの楽しそう。

プライバシーをバリバリ破って突き進んでいくことが「盗聴する」「盗聴される」側双方にどういう恐怖が降りかかるかというものが会話劇、そして心理的にも描かれた本作。主人公の「盗聴する」一方的な立場であったはずなのに追い詰められていく描き方が面白く王道でもあるし邪道にも見えるようなサスペンススリラー。ぶっちゃけ全体的に地味ですが、個人的にはかなり好きな部類の作品。クライマックスの皮肉さがとても良かったです。
ダイナ

ダイナ