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カンバセーション…盗聴…の福福吉吉のレビュー・感想・評価

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)
2.5
◆あらすじ◆
ハリー・コール(ジーン・ハックマン)は対象の会話を盗聴・録音し、依頼人に渡す仕事をしていた。ある日、ハリーは若い男女の2人組を盗聴する依頼を受け、実行していた。しかし、その会話の中で殺人に関与するものが含まれていたことにより、ハリーはその2人や依頼人の関係などに深入りしてしまう。

◆感想◆
盗聴の専門家である主人公が盗聴した内容にとり憑かれ、深入りしていく様を描いた作品になっており、それとともに彼自身の警戒心の強さゆえにどんどん孤独になっていく様子も併せて描かれています。

ストーリーのテンポはゆっくり目で、絵面的にも変化に乏しいため、少し冗長に感じました。本作の肝である若い男女2人組の会話に注目させる意図があると思いますが、あまりにも長いので焦れてしまいました。

主人公のハリーは過去にも実績がある一流の盗聴業者であり、異様なまでに自分のテリトリーを守ろうとする警戒心が強いです。そのために孤独になることが多く、また、仲間のスタンにも何も話さないため、信頼関係が薄いです。

ハリーは盗聴・録音した内容に殺人の危険性を察知したため、その内容に執着するようになります。彼がそこまで執着するに至ったかには過去に理由があるのですが、その理由が描かれるのが終盤であるため、観ているとただひたすら同じ録音を聞き続けることになり、精神的に追い詰められるハリーの心情が分からず、モヤモヤとした時間が続きました。

終盤にやっとハリーが次の行動に移すようになり、そこからは面白かったのですが、いかんせんその時間は短く、また結末としても尻切れトンボで終わった感じは否めませんでした。

フィルマークス内ではかなり評価の高い作品なのですが、私にはあまりにもテンポが緩く、観ているのがつらい作品になりました。
残念ながら可もなく不可もない作品でした。

鑑賞日:2023年12月13日
鑑賞方法:BS松竹東急
(録画日:2022年10月24日)
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