黄推しバナナ

DEAD OR ALIVE 2 逃亡者の黄推しバナナのレビュー・感想・評価

DEAD OR ALIVE 2 逃亡者(2000年製作の映画)
3.0
監督 : 三池崇史、出演者 : 哀川翔、竹内力による日本ノアールのクライムアクション作品第二弾。

続編でも無く
リブートでも無く
パラレルワールドでも無く
世界には同じ顔の奴が3人いて、そいつらが同じような世界でたまたま出会った的な作品。前作と名前も身分も育ちも違う設定になっているが、竹内力、哀川翔、大杉漣、山口祥行、田口トモロヲが前作に引き続き「DEAD OR ALIVE 2 逃亡者」にも登場している。

演出や話の流れ(脚本)パターンが明らかに一作目の「DEAD OR ALIVE 犯罪者」とは違う。

【DEAD OR ALIVE 犯罪者】
冒頭(ハイスピード展開)

中間(スローテンポ展開)

ラスト(ハイスピード展開)
アクション映画の展開に有りがちで見ているこちら側にバランスが良い構成になっている。

【DEAD OR ALIVE 2 逃亡者】
冒頭(スローテンポ展開)

ラスト(ハイスピード展開)
前半で主人公の生い立ちや心情を丁寧に描いて後半に向けて物語を盛り上げる構成に変わっている。青春群像、ヒューマン、ラブストーリーとかの流れ。

最初に鑑賞した時は、「DEAD OR ALIVE 犯罪者」の続編として見てしまったのが悪かったのだが、前半からアクション要素が少なくスローペースのため集中力を切らして…46分後「愛と誠」の劇が始まってからやっとエンジンが掛かりだしてラストに雪崩れ込む感じに「がっかり」した記憶がある。

三池崇史監督の心の「光」と「闇」を描く作品ではダントツ心の「闇」を描いている方が100%本領発揮していて面白いが…
今回の作品「DEAD OR ALIVE 2 逃亡者」は三池崇史監督の「光」の作品だ…
※三池崇史監督の心の「光」と「闇」に関しての考察は「DEAD OR ALIVE 犯罪者」のレビューをご覧ください。

物語は単純で、
プロの殺し屋ミズキ(哀川翔)は荒川組組長襲撃の依頼を受け、ビルの屋上からライフルのスコープ越しに組長を狙っていた。そこへ荒川組幹部シュウ(竹内力)が姿を表し瞬く間に8人を秒殺で撃ち殺す。プロの殺し屋ミズキはそれが20年前に孤児院で育ったシュウと気付く。荒川組と警察から逃げるように二人は別々に隠岐の島の孤児院に向かう。隠岐の島に住む孤児院の仲間コーへー(遠藤憲一)を訪ね昔の思い出に浸る3人…次第に荒川組の包囲網が2人へと忍び寄る…

冒頭から、
シュウ(少年期)登場!
Where are you?
地球に近づいてくるブルクハルト彗星!
夜のビルの屋上プロの殺し屋ミズキ(哀川翔)登場!
マジシャン東野(塚本晋也監督)登場!
裏の顔は依頼者と殺し屋の中継ぎ!
マイルドセブン(日本)
※大きく拡大した組
三七(中国)
※外から入った来たマフィア
ホープ(日本)
※古き時代の小さい組
3種類のタバコを使って分かりやすく説明!
朝日が登る東京のビル群
屋上で待機中のミズキ
荒川組組長が車から降りて裏路地に入る!
屋上からライフルのスコープ越しに組長を狙うミズキ!
そこへ荒川組幹部シュウ(竹内力)が組長と若い衆8人を秒殺!
「あれ?」ミズキが気付く!
その場を後にするシュウ!
無数の黒い羽が魚の群れ如く渦を巻いて飛来する!
ビルの屋上から立ち去るミズキ!
無数の白い羽が魚の群れ如く渦を巻いて飛来する!
東京のビル群上空で黒い羽と白い羽が交わる!
宇宙をバックにタイトルロゴ!
「DEAD OR ALIVE 2 逃亡者」
人通りの少ない道を走って逃げるミズキ!
マジシャン東野の経営するbarに報酬金をねだりに来たミズキ!
耳から国旗を出すマジックを見せるマジシャン東野!
無視して金を数えるミズキ!
銀行ATMユニセフに全額振り込む!
情報屋テル(手塚とおる)に乱射男の探りを入れるミズキ!
孤児院の頃の記憶!
乱射男が孤児院の頃の仲間シュウだと言うことに感づくミズキ!
荒川組の若い衆が街中シュウを探し!
ミズキもが街中シュウを探す!
チケット売り場で足を止めるミズキ!
金の返却に訪れた古き時代の組の者達!
ミズキ3人に囲まれる!
ミズキ背中からコンクリート・ブロックを取り出す!
頭をかち割られる若い衆!
回し蹴りで若い衆を一掃するミズキ!
一方、街中では荒川組が中国マフィアに報復!
警察から指名手配のシュウ!
フェリーで孤児院がある隠岐の島に帰るミズキ!
同じフェリーに乗っているシュウ!
すれ違いざまのキツネうどん!
狐の揚げは最後に食べる!
島で会うシュウとミズキ!
ここから孤児院の頃の3人の思い出映像!
ここで約23分…
戦いのシーンも無くさらにスローペースが続く…
長い…
この後、
首から血流して風呂場で倒れている画家(大杉漣)が出て来たり…これよー分からん意味不明…
孤児院で仲の良かったもう一人、コーヘー(遠藤憲一)が登場し3人のオッサンの登り棒、鉄棒、雨の中のサッカーなどはしゃぐ姿…
コーヘーの奥さんチエコ(青田典子)が出て来たり…
孤児院の頃のフィルム鑑賞を3人でしたり…
近所の子供たちと戯れるシュウ…
大自然とシュウとミズキ…
「愛と誠」のカオスな劇を地域住民が集まって見たり…
ここまで約51分…
カオス劇を皮切りに荒川組と中国マフィアの抗争勃発!
荒川組→中国マフィア報復!
死姦中報復!
中国マフィア→荒川組報復!
安らかな一時中報復!
シュウとミズキは隠岐の島を後にし大阪に上陸!何故島を離れたかは不明…
手広く殺しを続けるシュウとミズキ!
シュウの背中に黒い翼が生える!
ミズキの背中に白い翼が生える!
彗星を観察する男(田口トモロヲ)ただそれだけの登場!
うまなみじろう(山口祥行)アソコが大きい標的役で登場!
怒り心頭の黒い帽子の女(伊佐山ひろ子)恋人か奥さん???が中国マフィア三人組に殺しの依頼を!
ワクチンを打てない子供たちの映像!
飢餓に苦しむ子供たちの映像!
手打ち野球をする子供達とシュウとミズキ!
携帯電話の文字でしか会話が出来ないホストを生業としている中国マフィア三人組!
BOO(陳冠希/エディソン・チャン)
HOO(魔裟斗)
WOO(TEAH)
シュウかミズキと間違って関係ない男を殺す!
3方向から打たれた弾は頭を貫通して脳が6等分にCGスキャン説明+分度器で角度計算1つの三角は60度…訳わからんぶっ込み!
そして「死」の文字!……んっ
屋上でターゲット(罠)を待つシュウかミズキ!
中国マフィア三人組の罠にハマる!
近距離発砲!
シュウとミズキ致命傷!
中国マフィア三人組致命傷!
中国マフィア三人組が中国人孤児の姿にに!
シュウとミズキ近距離発砲!
中国人孤児の姿で死亡!
2人は隠岐の島の孤児院を目指す!
JRに乗る致命傷のシュウとミズキ!
血塗れ!
フェリーに乗る致命傷のシュウとミズキ!
血塗れ!
二人でキツネうどん食べる…
狐の揚げは最後に食べる…
そして…

根が変態の三池崇史監督…
どうしたんだろうね…
まぁー…
度を越して凄い悍ましい変態的バイオレンス描写が前作から−80%ぐらい鳴りを潜めてしまった…
残念…

この度レビューを書くため再鑑賞したところ前回見たときの固定概念が無くなり純粋に楽しめた。これはこれで深いテーマがあって良いと思えた。

ヒエラルキーの上層階級の奴らは手を汚さない。下層階級の奴らは疲弊したら捨て駒の如く使い捨てられ。お互いに争い潰し合って循環して行くだけ。ミズキとシュウが手を汚して稼いだ金をユニセフに募金していたが、募金で助かった子供たちもいずれ大きくなり下層階級の不条理な憎悪の渦に飲み込まれて行く…
冒頭で、ミズキがユニセフに募金している姿を見て、手を汚した汚いお金だがそれで助かる命があるなら汚いも綺麗もない重要なのは助かる命があるのなら助ける方が先決と言うメッセージに感動するが…ラスト時の親の居ない孤児同士の熾烈な戦いで死んでいく様は、世界で繰り広げられている「縄張り争い」「テロ」「戦争」を彷彿とさせるメタファーが感じ取れる…

三池崇史監督、冒頭に課題をぶっ込みラストに答え合わせをする意図的にやっている…ミズキとシュウの募金活動は何の意味ももたらさないと言いたかったのだろうか…
それもこれも争い事の中心に居るのは下層階級の人達だと…血を流すのはいつも下層階級の人達だと言わんばかりの作りだ…

※見た通りの素直な考察なので、穿った見方で読み取らないで下さいね。憤りのメイションはやめてね。

①鑑賞年齢20代(社会人)
②心に余裕鑑賞なし
③思い出補正なし
④記憶明確
黄推しバナナ

黄推しバナナ