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リスボン特急のDのレビュー・感想・評価

リスボン特急(1972年製作の映画)
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ジャン=ピエール・メルヴィルの遺作にして、アラン・ドロン3部作3作目。

サムライの焼き直しが印象的。

アラン・ドロンがキャリア史上初めての刑事役、クラブのピアノ演奏、メルヴィル・ブルーにこだわった映像、ジャズを使用した音楽、ラストの決着など。

「仁義」で袂を分けた盟友アンリ・ドカに代わり、アカデミー賞撮影賞を受賞したワルター・ウォティッツによる撮影、ミシェル・コロンビエの音楽、 カトリーヌ・ドヌーヴの黒いドレスはイヴ・サン・ローラン。

また、アラン・ドロンとカトリーヌ・ドヌーヴの初共演が当時最大の話題作だったが、男の世界を描くメルヴィルの作品では、女は添え物扱いで、恋に成就するといった甘い展開は見せない贅沢な使い方である。

そして、男の友情と裏切りはもちろん描かれるのだが、アラン・ドロンとリチャード・クレンナ(犯罪集団のボス役)は、レジスタンス時代の親友という設定のようだが、映画では省略されているため、関係がややわかりづらい。

雨のふりしきる銀行襲撃とパリからリスボン行きの特急列車強盗といった開幕と終盤に大きな見せ場を際立たせるために、とことん無駄を削ぎ落としスタイリッシュに洗練されたメルヴィルのスタイルは最後まで健在だ。

【アラン・ドロン映画】サムライは何位?おすすすめランキング10作品https://narcos.hatenablog.com/entry/alain-delon-samurai-osusumeranking

【メルヴィルvsブレッソン】映画監督のおすすめ10作品を紹介
https://narcos.hatenablog.com/entry/melville-bresson-movie
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