すずす

素晴らしき休日のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

素晴らしき休日(1938年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

男が恋した女性は資産家のお嬢様。恋と金という昔風のテーマを扱ったドラメディの傑作。シチュエーションコメディが多い主演の二人にとっても、One of the BESTとも呼ぶべき一作に思えます。
「シネマヴェーラ」にて観賞。

SITCOM(シチュエーション・コメディ)というよりは、ドラメディ(ドラマコメディ)、金持ちと庶民の対立を軸に、恋愛をツィストさせたドラマと云う感じが本映画の魅力。喜劇より恋愛ドラマを重視する傾向のある日本人に、より向いているかも知れません。

ジョニー(ケーリー・グラント)が結婚を誓った娘ジュリアの家に行くと、そこは途轍もない資産家の豪邸。入り口を間違え裏の勝手口から入る始末。旅先で知り合ったばかりで、詳細を訊いてなかったのだ。エレベーターには木の扉付きで、ジュリアの指示で父の気に入るネクタイを着けさせられ、面食らうジョニー。
この家の問題児で姉のリンダ(キャサリン・ヘップバーン)はジョニーを気に入るが、資産家の父には金がすべて、自分の銀行で働く事を条件に婚約をみとめられる。
すれ違いが続く中、妥協点を探るジョニーとジュリアだが、仕事より自由を信条とするジョニーは、思い悩んだ末、ジュリアを諦めるか悩む中で、自由奔放過ぎる姉のリンダと気が合いはじめ…。
ジョニーは妹を差し置いて、姉のリンダを選ぶことが出来るのか?

豪邸にある遊興部屋が素敵、ジョニーの友人で大学教授のポッター夫妻がコメディリリーフとしてGOO、ジョニー、ジュリア、リンダの三角関係に加え、ポッター夫妻、カタブツの父親の存在もドラマを盛り上げる。

キリン似のキャサリン・ヘップバーンが、妹のファイナルアンサーを何度も確認した上で、ジョニーとの旅に飛び出していく場面には、思わず膝を打ってしまった!コメディと云うより、姉妹による三角関係の機微を丁寧に描いた脚本が際立つ一篇だと思う。
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