精神病院を脱走した服装倒錯者の青年が、あてのない犯罪生活を送っていく。エド・ウッドの遺稿を忠実に映像化している、クライム・コメディ。遺稿には台詞が書かれていないため、本編には登場人物の台詞がない。
エド・ウッドの安上がりなスタイルを適度に再現しながら、現代風のスタイリッシュな映像技法を含ませている作品。演者の台詞芝居がない代わりに、クラシック、オールディーズ、ロック、ラウンジ系など、多岐にわたる音楽をふんだんに起用している。
様々な場所でロケ撮影が敢行されているため、「まともなオシャレ映画」に仕上がっている。メイラ・ヌルミ（エド・ウッド作品に出演していたヴァンパイア女優）やキャシー（エド・ウッドの妻）の特別出演には、純粋に感動させられる。
本作は「タイタニック」の翌年に日本公開された作品のため、「タイタニックのビリー・ゼイン主演」が惹句になっている。プロデューサーも兼任しているところに注目すべし。イイ趣味してるじゃないか。
