tak

白い婚礼のtakのレビュー・感想・評価

白い婚礼(1989年製作の映画)
3.3
僕はフレンチロリータに弱い。銀幕上の恋愛遍歴(笑)はソフィー・マルソーから始まって、新旧フランス女優たちに次々に恋してしまった。バネッサ・パラディもその一人。

90年代に入った頃、週末にやってた海外ニュース番組で、フランスで17歳のトップアイドルが主演した映画が大ヒットとのニュースが流れていた。ヒット曲を連発した彼女は、初主演の映画で中年の先生と恋をする小悪魔的な美少女を演じている。しかもヌードも辞さない熱演。ヒット曲「夢見るジョー」のPVとともに映画「白い婚礼」の一場面が流された。草の茂った斜面で男性を誘う白いワンピース姿が心に残った。ど、どんな映画だろ。

同じ頃、僕はセルジュ・ゲンスブールにどハマりしていて、彼がプロデュースした女性アーティストや女優の音楽を新旧見境なく聴いていた。バネッサ・パラディのアルバム2作目「ヴァリアシオン」をプロデュースしたのはセルジュ。1作目の「マリリン&ジョン」もよく聴いた。10代のすきっ歯の小娘が大統領と女優の恋を歌う。ヨーロッパ音楽の憂いのあるシンセ音と舌足らずなボーカル。

「白い婚礼」でバネッサの相手役は、「恐怖の報酬」リメイク版も印象的だったブリュノ・クレメール。思わぬ恋に戸惑うのはむしろ彼の方。これを観た頃、テレビでは野島伸司脚本の「高校教師」が流行ってた。あれもセンセーショナルだったし、切なさに夢中になったけれど、「白い婚礼」は似たような題材ながら、もっと宿命的で破滅的。そしてフランス映画らしい人物像の掘り下げがある。二人が校舎の隅で抱き合うクライマックスにはハラハラ。そして好ましくない結末が訪れる。

10代のポップスターがこの役を演じたことで騒いでた当時の報道。本編を観るとその衝撃は理解できる。そしてレニー・クラビッツがプロデュースした名盤「ビー・マイ・ベイビー」が大ヒットして、みんなのハートを射止めることになるのだ。
tak

tak