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巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)のBaadのレビュー・感想・評価

3.8
舞台の映画化としては変に完成度が高く逆に物足りない感じはしましたが、プロのミュージカルスターは一人だけしかつかわず、舞台色を薄めた上でカーテンコールまで映画的に再現して、ホントに至れり尽くせりでサービス満点、カメラワークは完璧に感じられる映画でした。

これが最初に見たミュージカル映画であったが故に2005年に見たミュージカル映画は軒並み色褪せて見えてしまったんですが、2006年は割と豊作だった記憶が・・・

オープニングでのクレーンショットは両大戦間の映画では流行だったんでしょうか。この部分凄く楽しかったです。

最初の出だしの部分で、すこしだれて、いくら娯楽映画とはいえ何不自由ない有閑マダムの火遊びの話に付き合わされるのはちょっと時間がもったいないかな、と一抹の不安がよぎったのですが、なんのなんの、ご主人が出てきた辺りからあとはどこにでもありそうな夫婦間の艶笑喜劇の世界を充分に堪能することが出来ました。

この映画が公開された時点では、こういうちょっとエッチで洒落た大人の喜劇はあまり上映されていなかったので一抹の清涼剤でもありました。こういうさじ加減の下品さはあるようでなかなかないので貴重です。

主演のサヴィーヌ・アゼマさん、「田舎の日曜日」に出ていた人ですね。昔もきれいでしたが、この映画でもあまり衰えていませんでした。

(日本初公開時劇場鑑賞)
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