罰はぶたれること
毎日出される膨大な宿題の量に疑問を抱いたキアロスタミ監督がイランの小学校の生徒に突撃インタビューするドキュメンタリー作品。
子供達を1人ずつ部屋に呼び込み、質問していくスタイル。
宿題について聞いていくうちに家庭での問題が浮き彫りになっていく。
子供に対して親からの体罰が常習化している現状や忙しくて勉強を教える事が出来ない親たち、宗教についての教育で圧迫されている授業時間など根深い問題が次々と出てくる。
褒められたりご褒美をもらった事のない子供たち。
ベルトで打たれるなど聞けば聞くほど自らの子供に対する接し方とは思えない行動に胸が痛くなる。
終始子供達の生の声を聞くだけの作品なのですが、後半は怯えきって対応すら出来ない子供が出てきた時は観ているこっちとしても恐怖を感じた。
子供たちへキアロスタミ監督はこう質問します。
「君が大人になったら自分の子供にも体罰しますか？」
子供達はみんな「やらない」と答えます。
しかしそんな親を見てきた彼らが大人になった時どうなるのだろうか？
生きていく上で苦労や困難を乗り越える力を得るための経験は大事だと思うが、行き過ぎた行動やストレスを与え続ける事は成長する上で絶対に良くない。
1989年から35年経ち、今のイランはどのような状況になっているのだろう。
