無名のひと

ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖の無名のひとのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

人口4,000人にも満たない小さな街、エバンスシティが舞台。
ある父親が豹変し、妻を殺害後、子どもふたりの残る家に火を放った。
身重の恋人ジュディと婚約している消防士のデヴィッドは火災の現場に、看護師のジュディは火災で火傷を負った子どもたちの手当てのために診療所に向かう。
診療所の中はガスマスクに防護服を着た軍人たちで溢れていた。
エバンスシティに、侵されたら死亡するか精神異常に陥ってしまうウィルスが蔓延しつつあると言うのだ。
妻を殺して家に火を放った男は、どうやらそのウィルスに侵されていたものと思われる。
妊娠しているジュディの体を気遣って、医師が裏口から逃がしてくれた。
デヴィッドと合流し、デヴィッドの友人クランクと、行き合ったアーティ、キャシー父娘と共に街の外に逃げようとする。
軍は街の道路を封鎖、電波を妨害。
武装した軍人が家々を回って住人を高校に集める。
しかし、事情が分からない住人は、防護服姿に身を包みガスマスクで顔も見えない武装集団を信用しない。
ウィルスの蔓延を防ぐため、逃げる住人を射殺するしかない軍人たち。
軍の輸送機が川に墜落し、積んでいたウィルスが流れ出して飲料水が汚染されてしまったことが、全ての発端だった。
この細菌兵器ウィルスの開発者であるワッツ博士がエバンスシティに派遣され、設備の整わない高校の理科室で特効薬の研究をすることに。
街のほとんどの人間が高校に集められたものの、まともな説明もなく人々は混乱していた。
そして少しずつ、しかし確かに感染者は増えつつあった。
デヴィッドたちは街から離れたところにあるカントリークラブで、食料など街を脱出するために必要なものを集める。
キャシーが感染したのか、精神に異常を来たし始めていた。
更に先を行ったところで、少数の兵士たちが一時の拠点にしていた家を発見。
何も殺すことはないにも関わらず、クランクは兵士たちを全員射殺してしまう。
自分の強さを誇示するクランク。
彼が感染しているのは、デヴィッドには明らかだった。
アーティは、年頃のキャシーに恋人が寄り付かないように注意深く目を光らせていたらしい。
しかし、既に感染しておかしくなってしまっていたアーティは、自分が守り続けていたキャシーの純潔を汚してしまうのだった。
我に返ったアーティは、首を吊って自殺。
キャシーはもう何も分からなくなっており、ふらふらと外を歩いているところを兵士に見つかり、感染者として射殺されてしまう。
ワッツ博士は、ワクチンに生成できそうな成分を発見。それを研究所に持ち帰って詳しく研究しようとするが、感染した住民で阿鼻叫喚中でもみくちゃにされ、転落死してしまうのだった。
デヴィッド、ジュディ、クランクは森を突っ切って逃げることに。
クランクは、凶暴化している自らの感染を確信していた。
自らを囮にして、多くの兵士を倒したものの、頭を撃ち抜かれて死んでしまう。
クランクの働きで、デヴィッドとジュディは資材置場に到着することができた。
ブロックを囲んでジュディの身を隠させ、デヴィッドは周囲を監視し続ける。
巡回している兵士のひとりから防護服とマスクを奪うことに成功し、ジュディを救出に向かうデヴィッド。
しかし、隠れ潜んでいた住人に囲まれでしまう。
デヴィッドの姿を見て兵士だと勘違いした住人たちは、デヴィッドたちを攻撃。
ジュディは撃たれ、「子どもの名前は“デヴィッド”にしたい」と言い残して息を引き取った。
兵士に捕らえられたデヴィッドには、どうやら抗体があるらしい。
あんなにジュディと逃げて回ったのに、自分の中に必要なものはあったのだ。
街の封鎖が完全になる前に街を出た住人によって、隣町にも感染者が出た模様。
街で指揮を取っていた大佐が、その現場に向かうように指示を出される。
上層部はというと、細菌兵器を積んでいたことを実は核兵器を積んでいたということにし、収容の際誤って爆発してしまったということで強引に事態を終息させようとしているのだった。




もう、みんな馬鹿!
ほんまクレイジーズだわ、馬鹿!
作戦が後手後手の後手、杜撰、馬鹿!
醸造部にも兵士にも住民にもイライラしながら見た。
せめてもう少し緊迫した状況であると知らせていれば、住民も指示を聞き入れられたんじゃないかと。
こういう時、日本人は素直に言うこと聞きそう(褒めてるわけじゃない)
日本だったらここまでパニックにならなくて済んだのでは?
編み針でドスドス突き刺してくるおばあちゃんのにこにこ笑顔がとてもよかった。
クランクがデヴィッドに実は劣等感を拗らせてたっぽいところも切なかったなぁ。
おかしくなってきてる自分を自覚しているタイプとそうでないタイプがあるようだけど、自覚している分クランクは辛かったかもしれない。
博士のアレは既に感染だったと思う。
助手はそんな反応見えないって言うし。
最初の父親もクランクもだけど、はっと我に返る瞬間てのがあって、アーティは自分のしたことを許せなかったんだろうなぁ…
大統領がずっと背を向けているのがめちゃくちゃ気になった。
あれ、本当に大統領??
命令を口にしているのが誰なのかどうか、大事なことなのに見えなくなっていってる。
声紋認証なんてことして、逆に滞ってうまく回らなかったことがどれだけあったんだろう。
命令するだけの人はいいよなぁ、と見ていて何度思ったことか。
安定期にも満たない妊婦をえらい走らせるなということばかりが一番気になってしまった。
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