ロメロが戦争映画を撮ったらとんでもないものが出来上がった。博士の異常な愛情への(隠してもない)オマージュを中心に描かれるアメリカの戦争犯罪や、戦争のツケを払わされる一般市民たち 市街地や戦い方がゲリラ化していくサバイバーの状況をベトナム戦争と重ねる強烈な皮肉までやってしまう勢い。
誰が｢感染者｣か分からず軍隊が市民と片っ端から撃ち合うのも、まさにそのまま｢もしもベトナム戦争がアメリカの市街地で起こったら｣な映画。(それをパニック映画をベースにやり遂げるロメロの手際は異常)
ティック・クアン・ドックの焼身自殺をそのまま神父にやらせてしまう位にはロメロの怒りとやるせなさは直球でドギツい、笑いとしても。かといって完全にユーモアを失っている訳でもないのは凄く好きなバランス。
