マーくんパパ

ゲルマニウムの夜のマーくんパパのレビュー・感想・評価

ゲルマニウムの夜(2005年製作の映画)
2.3
花村萬月の小説は読んでいないが冒頭、ワンコを蹴り上げるシーンでああこの映画はついていけない種類の映画だなと早自覚。北国の修道院敷地内に併設された養護院で家畜の世話して働く朧(ロウ)、殺人して逃げてきたのを助けられここに隠れ住んでいる青年。絶えず何かに苛立ち家畜や同僚に暴力を働きシスターたちを性欲の吐け口にして悪びれず遂には又同僚を殺してしまう。懺悔をしても何も答えを与えられない神父を嘲笑う。神と神職者を嫌悪し冒瀆し放題の彼が、陰湿な性的イジメを受けている養護院少年の告解を聴く事になり、ロウは明白に〝殺せ〟と告げる。少年にとっての神はロウとなった…。神父を含めたおぞましいシーンの数々、ロウが聴いているゲルマニウムラジオから聴こえてくる囁きは何だろう、最後までやはり付いていけない感は続いた。神職者、信者はこの手の映画をどう評価、理解するのか聞いてみたい。ほんの少しの救いは最後に川の辺りのベンチでシスターの膝に身体を横たえたこと、束の間でも心と身体を支え預ける人がやはりどんな人にも必要との暗示かな。