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チャイニーズ・ブッキーを殺した男の&yのレビュー・感想・評価

5.0
【2014/1/15:オーディトリウム】カサヴェテスの映画は、胸の奥の一番爛れてるとこを掻きむしられるみたいな感じで、なんかもう泣く気にすらならないんですが(だから大好き、褒めてます)、これだけはいつも泣きそうになる。
本家クレイジーホースが知ったら名誉毀損で訴えられそうなほど下品でくだらない場末のキャバレーを、必死で築いて守り抜いた主人公コズモ。映画撮るために俳優で稼ぎ、借金し、家を抵当に入れてまでして作った作品が酷評され、それでも映画を作り続ける監督のカサヴェテス。
風変わりなノワールとしても面白いけど、コズモはカサヴェテスの、クレイジーホースは映画=彼らの夢の投影であることをベースに観ると、カサヴェテスの映画への態度がビビッドに浮かび、いつ観てもどうしようもなく感動してしまう。人物に過剰に寄ったショットは彼の人生の逃げ場のなさをダイレクトに感じて辛い。あと、ラストが好き。
で結局、カサヴェテスにとってのチャイニーズブッキーって誰なんだろうな〜。
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