飯

お茶漬の味の飯のレビュー・感想・評価

お茶漬の味(1952年製作の映画)
4.3
ロマンポルノの時代が迫る前の保守主義。

めし、お茶漬けの味、淑女は何を忘れたか

イデオロギーの対立を一回の食事だけで収拾するのはあまりにも理想主義すぎて

小津映画に滅多にないトラッキングショットの使用。
一種平穏な状態を追跡し、あるいは破壊する。
動力学を叙事に持ち込んだ時点で、「平穏」がなくなる。

飛行機が作った空ショット。飛行機(現代的刑具)の破砕がデウス・エクス・マキナとして、夫の回帰(想像上の和解)をもたらした。

夫がいなくなったあとの一連の空ショットは、ある種の幽霊学を構築しているように見える。(夫の亡霊)

濱口竜介や黒沢清と違い、小津は日常とチャップリン式の喜劇で結末をつける。


しかし無体制の生活理念はいいなー。
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