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お茶漬の味のiheugoのネタバレレビュー・内容・結末

お茶漬の味(1952年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

育ってきた環境が違うから価値観も異なる。自分の思い通りにコントロールしようとしてはいけない。自分の価値観で見ているその人は、その人のほんの一面でしかない。
パチンコなんかが人気な世の中はろくなもんじゃない、こんな商売始めなきゃ良かったと言う軍隊の時の後輩に対し、反対にパチンコをポジディブに解釈して、話していたシーンが印象的だった。


旦那に嘘をついて友人と修善寺の温泉に旅行し、旦那のいないところで、旦那のことを鈍感やら、遠くに行ってくれないかなど悪口を言う。
独身の姪はその姿をみて、そんな風にはなりたくないと言う。姪にお見合いで結婚を勧めるが、姪はお見合いは嫌だという。おばさまみたいには絶対ならない。
一方で旦那も、お見合いで結婚したとしても私たちみたいな夫婦をもう1組作るだけだと言って、姪の味方をする。
旦那が夕飯にお茶漬けを食べようとすると、犬の餌みたいで品が無いからやめて欲しいと言う。旦那は奥さんが嫌がるならやめるが、自分の故郷ではこれが普通だし、このお茶漬けを食べて育ってきた、安いタバコも味が好きで箱にも愛着がある、汽車だって3等車両が気安くて好きなんだと主張する。妻は、私にとって品良く生きることが気安い生き方と主張し、旦那の主張に耳を貸さない。
旦那が急遽ウルグアイへの転勤が決まって、旅立つ時、妻は旦那に内緒で家出をし、見送りに間に合わなかった。後悔していたところ、エンジンの故障で出発が遅れた旦那が戻ってきた。
深夜に二人お茶漬けを食べ、妻は旦那の頼もしさに気づく。自分が見ていた家での旦那は、その人の一面でしかないんだ。お茶漬けはこんなにも美味しかったんだ。旦那の頼もしさに気づき旦那を初めて好きになる。そののろけ話を姪に聞かせ、姪は嬉しくなる。
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