継

危険がいっぱいの継のレビュー・感想・評価

危険がいっぱい(1964年製作の映画)
4.5
ボスの女に手を出してギャングから追われるマルク(ドロン)。大金持ちの未亡人バーバラ(オルブライト)に拾われて、お抱え運転手として広大な屋敷に住むことに。
ほとぼりが冷めるまで身を隠そうと企むマルク、やがてバーバラと屋敷の秘密に勘づき始めて... 。

'64年, 仏製モノクロ.
奇妙な共同生活が徐々にその関係性を変えていくラブサスペンスで、コミカル、ブラック要素込みのテンポ良い93分です。
パッケージ裏にはもう少し突っ込んだあらすじが書かれてますが、江戸川乱歩風「ヒドゥンフェイス」的な<設定>は今作からヒントを得てるんじゃ?って思います。コレで分かる人は分かっちゃう(笑)でしょうが、そこはクレマン!原作を自ら改変した脚本はひねりが利いてるから大丈夫。

一つ間違えると猟奇的になりそうなストーリーを、ベッドやキスを巡る小粋な会話や、女優の瞳とイヤリングにキラめく星✨を湛えるアンリ・ドカのカメラがセンス良いフレンチに仕立てています。

NY~南仏コート・ダジュールのオテル・ド・パリから幕を開ける本作。
「妖艶」と書いてオルブライトと読ますかのような美貌の未亡人ぶりのローラ・オルブライトと、マルクに好意を寄せるキュートなメイド役ジェーン・フォンダの対比が良いカンジ、自分はフォンダ派ですが(笑)。

池の水面に映る己に見惚れる、ナルキッソスぶりさえキマッてしまうドロン。
唇を奪い「食えないヒトね❤️」と言わせる伝説の男は運動神経の良さも随所に魅せて、ナルキッソスが水仙に変えられるギリシャ神話のオチとは似て非なる結末が待ち受けます。
果たしてそれは飼いウサギ?オオカミ?それとも... ?
継