みました系の人

ダンサー・イン・ザ・ダークのみました系の人のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

エゴイズムの嵐!
息子の視覚を守るためなら周囲に迷惑をかけても働き続ける
愛するミュージカルに参加するために舞台をめちゃくちゃにする
恋心を理解しておきながら車の運転手としてさか扱わない(笑)
命をかけて罪を犯し息子の手術費用を取り戻す
自分の罪の原因を息子のために隠し通そうとする
根底にあるのは愛だろうけどセルマはそもそもエゴイズムの塊のような女性だと思う
周囲を取り巻く人も同じで、好きだから優しくしてやろうとか、もっと生きていてほしいとか、妻に逃げられたくないとか、誰もが身勝手だけど「身勝手であることは悪なのか?」と問われると、それが人間の本質なのだから答えは否になる
ミュージカルや障害でコーティングしながらも人間の本質を描いた作品なのかなと解釈
胸糞映画として有名だけど息子の手術が成功したのだからハッピーエンドなのでは?
母が息子への愛とエゴを貫く物語であるのだから

悪役なデヴィッド・モースに純愛を捧げるピーター・ストーメア
顔的に逆じゃないの!?とびっくりしつつも二人とも良い演技
チョイ役で出てくるウド・キアも嬉しい
みんな演技が控えめでリアルで荒めの画質と揺れるカメラワークも加わってまるでドキュメンタリーのような質感だった
音楽は好みではなかったけど不安定で怪しくてしっかり世界を構築してくれた
ラース・フォン・トリアーはドッグヴィルでだいぶ疲労させられたけど本作はとてもスッキリして見やすかった