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ダンサー・イン・ザ・ダークのDのレビュー・感想・評価

3.7
トリアーは、人間は自分の願望や信念を貫くために関係のない他人を(苦しみながらも)犠牲にするもの、と捉えているんだろう。ある意味道徳を全く信じていない。その結果として自分にも降り掛かる不幸も自分の責任と割り切っているから清々しいのだが。

評判よりも鬱映画/胸糞映画ではなかった理由はそこにあるのかと思いました。加えてセルマを理解する人々の存在(セルマからすればほぼ全員に裏切られているのだが)。果たして息子は本当に手術を受けられたのだろうか。真相はともかく、何よりも、文字通り自分と他人の命よりも強い願いが成就したと信じて終われたのは救いだった。言われているほど救いがない映画、ではないのかなと感じました。

強いストレスを受けると逃避としてミュージカルが始まるという心理の設定には毎回脱帽。

は、そういえば冒頭の映像何だったんだろう。ズームインしていって赤血球かDNAかと思ったがだとしても何なんだ。
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