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ダンサー・イン・ザ・ダークのmitzのレビュー・感想・評価

4.0
ラース・フォン・トリアー代表作。
弱視のシングルマザー セルマ とそれを支えるコミュニティー。物語はひとりの人物の悪意から、雪崩式に不幸へと転じていきます。
(好き嫌いの分かれる)ミュージカル形式を採用しながら、セルマが歌い踊る場面は全て「妄想」という斬新な設定のため、演出に無理がなく明暗のコントラストがはっきりしています。
息子のために最期まで法廷で真実を話さず、命を放棄するまでの過程。そして映画史に遺る絞首台での芸術的なラストシーンなど、ビョーク以外では成立しないと言っても過言ではないほど、セルマの人生に説得力を持たせています。
「人間の業」というべきか、「功罪の真理」というべきか。当時、明転した映画館で誰も立ち上がろうとしなかったことを鮮明に覚えています。

ダウナー系の最高峰。
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