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ダンサー・イン・ザ・ダークのtrmのレビュー・感想・評価

4.6
あらすじだけ読んで、前情報なしで見たのでまさかミュージカル映画だとは。クライムサスペンスとミュージカル、今までにまったく見たことない映画。

リズミカルな音が聞こえると、ミュージカルの妄想を止めることができない視力を失っていく主人公。そのお茶目な性質は物語の序盤では彼女の抜けたキャラクターを形どるが、物語がシリアスに進んでいくにつれ、彼女が立ち向かうシリアスな現実を紛らわすための心の支えになる。しかし、無音の空間に行けば、彼女の心はたちまちに弱くなる。そんな中で彼女がある音に耳を傾け、歌い上げるラストシーンは非常に象徴的で、美しいラストだった。

正直言ってストーリーだけ拾っていけばとても酷い話だが、主人公の危うくふわふわとした柔らかいキャラクターやミュージカルシーンにより、物語の儚さや美しさを切なさを輝かしく演出されていたことが素晴らしく感じた。
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