きょ

ダンサー・イン・ザ・ダークのきょのレビュー・感想・評価

5.0
ほら、世界はそんなに悪くないでしょう?


遠くない未来、暗闇の世界に包まれる。
社会人になり最初の休日に観る映画としては、自分への警告の様である。
意識が空に飛ぶと、音楽が流れだし、人々が踊り出す主人公の空想は、22年生きてきた自分との生き写しだった。
母に連れられ、鑑賞した劇団四季「ライオンキング」は、今もミュージカル愛の根源として血管を流れている。

歌が途切れ、幕が閉じる。
間違いなく、今まで観た中で最も虚しく、空虚なミュージカルだった。
もはや、自分の最期を見せられたような気分である。

愛があり、音楽がある。
人はそれだけで生きてはいけないのか。
彼女には何が足りなかったのだろう。
いや、きっと、世界が厳しすぎたのだ。
そうでなければ、自分の中の何かが壊れてしまいそうな作品だった。
きょ

きょ