ブタブタ

ダンサー・イン・ザ・ダークのブタブタのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

「ミュージカル映画」と言うモノを見たのは本作とマドンナ主演の『エビータ』くらい(アナ雪もそうか)なのですが、舞台とは違って劇中で登場人物が突然歌い出す不自然さにどうしても馴染めなくてエビータではチェ・ゲバラ(アントニオ・バンデラス)が突然出てきて「エビータは15歳♪何ちゃらかんちゃらで~♪」と歌い出すのでお前どこから湧いてきた(笑)と全く感情移入出来なかったのですが、本作のミュージカルシーンはセルマ(ビョーク)の妄想でありドキュメンタリー風の手ブレカメラから、ディズニー映画バリのCGで描いた様な非現実的世界に一気に変わり歌と踊りが展開されるのですが、そのミュージカルシーンが明るくポップであればある程現実は辛く悲惨極まる世界で、セルマの辿る運命もこれ以上無いくらい悲しい物です。
しかしセルマには親友と呼べる人や思いを寄せる人、心配してくれる人達がちゃんといるのにそちらに意識は行かずひたすら息子の事とミュージカルの妄想にいそしむ日々。

所々おかしな部分も多いんですよね。
盗んだ(とされる)金について保安官の妻はなぜ返還請求しないの?
死刑執行されるの余りに早くない?とか。
でもそんな事もこれは「ミュージカル」だし指摘するのも野暮何でしょうけど。

死刑が宣告されても、まさか自分はこのままセルマが死ぬとは夢にも思わなかったので、トリュアー監督はどうやってセルマを救うのだろうか?と思って見ていたのですがあっさり死刑になってしまったのは驚きました。

もしセルマを救うとしたら→私案
セルマの言う「最後から二番目の歌」
エンディング曲が流れる前に劇場を出てしまえば永遠にその作品は終わらない、とセルマは言ってましたので、なので本作もセルマが最後から二番目の歌を唄い終わり絞首刑になる、足下の板が開くまさにその瞬間エンディングなし、そこで映画を終わらせてしまえばこの映画は永遠に終わらずセルマは永遠に空中で静止したまま、死なないと思うのです。
ブタブタ

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