リス

ダンサー・イン・ザ・ダークのリスのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「鬱映画」と形容されるこの映画、個人的にはとても好みでした。


劇中の主人公セルマの

「ミュージカルでフィナーレの曲が流れると ああもう終わってしまうんだ、と思って悲しくなるでしょう?
だから私いい事を考えたの 最後から2番目の曲が流れたら映画館を出てしまうのよ そうしたらそのミュージカルは永遠に終わらないわ」(※セリフは意訳)

のくだりのセリフがとても好きでした。


自分的には高評価なものの、この映画に対して「気持ちがわからない!主人公の挙動がわからない」という意見もとてもよくわかりました。

もっと幸せを掴めたはずなんですよね。多くの周りの人間も弱視の主人公に優しかったし、鬱映画とはならなかったはずなんです。でもなんで掴めなかったんでしょう。私はセルマは「子供の顔が見れない事が一番の不幸」だと思っていてその気持ちだけに人生を費やしてきたんだと思います。
あとどんな状況下でもした約束を破らない、などセルマの純粋さを感じます

さて この映画の見どころのミュージカルですが素晴らしかったです。
「現実世界」から「空想のミュージカル」になるところが素敵だった、一番好きなのは「見るべきものなんてある?」とメガネを川に捨てるシーン…なんでも許される幸せのミュージカルの世界でならセルマはそうやって自由に振舞って踊っていたかった…

劇中歌も素敵でした、日本語訳を見た程度ですが「時間をください 涙を流すだけの ヘビが皮を脱ぐだけの」など詩的な感じで…私も知ってる歌もあってそれをビョーク(女優さんの名前)が歌っているのがすごいセルマを感じられて、楽しそうでそれがまたなんとも言えず


ラストについて、
私は幸せな終わりだったと思います セルマはフィナーレを迎えずに終わったんですから…それが一番幸せだったんだと思います

どのミュージカルシーンも素晴らしくて個人的には何度も歌を聴きたいし踊ってる姿を見たいです。もちろん万人にお勧めはできませんが、素晴らしい映画でした。ひたすら悲しくて良かったです…ありがとうございました。
リス

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