みおこし

ダーリングのみおこしのレビュー・感想・評価

ダーリング(1965年製作の映画)
3.2
ジュリー・クリスティーは本作でアカデミー賞主演女優賞を獲得。

ロンドンの中流階級出身のファッションモデル・ダイアナは、若くして結婚するも自身の将来に対する野心溢れる女性だった。ある日、ジャーナリストのロバートと出会い、家庭がある身ながらも恋に落ち同棲を始める。しかし多忙で家を留守にしがちな彼との生活に次第に不満を覚え始め、パーティーで出会った大手広告代理店のエクゼクティブ・マイルズと親しくなるのだが…。

もうあらすじ書きながらイライラするくらいにはビッチ!!(笑)裕福な家庭に育ったわけではない主人公が、さまざまな男性と出会って恋に落ちながら上流社会をのし上がっていく…。そんなお話なのですが、”嫌な女”であっても芯が通っていたり、何か確固たる信条があるならば応援できる(最たる例は『風と共に去りぬ』のスカーレット)のですが、本作のダイアナに関しては自分の感情の赴くままに生きているだけなので、さっき言ってたことと今やってることが全くつじつまが合わないことが多い。せっかくつかんだ幸せも気分ですぐに手放してしまうし、理想を常に追いかけ続けて結局現実を何も見ていない彼女の浅はかさにも全く共感できず。ただただ、ダーク・ボガード演じるロバートが気の毒だったな…。

アメリカン・ニューシネマの名匠ジョン・シュレンジャー監督による1本ということで、激動の60年代イギリスを生きる女性を生々しく描こうとしたのだとは推察するのですが、なんとも苦手なタイプのヒロインでした。あのいたずらっぽい笑顔に男性はみんな騙されてしまうのか…(笑)。
モノクロ映像だけど、当時のロンドンの息衝きが伝わってくる斬新なカメラワークやモンタージュは印象的でした。
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