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ビフォア・ザ・レインのcamusonのレビュー・感想・評価

ビフォア・ザ・レイン(1994年製作の映画)
3.0
オムニバス3部構成。

第1部は、海を背にした僻地に建てられた修道院を舞台にした話。
第2部は、うってかわって、都会で写真誌の編集者として働くキャリアウーマンの話に。
不意に襲う暴力の暴発しか共通点がないなと思ってたところ、
第3部で、すべての話がつながるような構成です。

イニャリトゥの「アモーレス・ペロス」に
構成や雰囲気が似てるような気がしますが、本作の方が全然古いので、
この手の作品としては先駆けだったのかも知れません。

第3部でうまくつながって、なるほどと思う反面、
第1部で目の色変えて少女を追っかけていたのに対して、
第3部でいとも簡単に逃がしているなど違和感も残ります。

日常の中の非日常をさりげなく切り出していると思うのですが、
全体的に詰めが弱いというか。
人の死が、印象に残ると言うより、
逆に受け手を不感症にしてしまうようなところがあります。
不意に訪れる理不尽な死のリアリティはあるのでしょうが、
感情の方が追いつかず、あまり残らない感じです。
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