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涙を、獅子のたて髪にの一のレビュー・感想・評価

涙を、獅子のたて髪に(1962年製作の映画)
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全体的にエリア・カザン『波止場』のイメージだとは思うが、この藤木孝はマーロン・ブランドやジェームズ・ディーンに負けないくらいよかった。走り方(腕の振り方)とか声の出し方とか一々目を見張る。寺山修司&八木正生(あしたのジョーのコンビ!)による『地獄の恋人』をアカペラで歌わされるシーン忘れ難い。音楽のクレジットは武満徹・八木正生となっていたが、共作したのか分担したのか気になるところ。一方、加賀まり子の映画デビュー作でもありまして、まだ清純なかんじでやっていた。彼女もやっぱり声がいい。二人の出会いのシーンで藤木が野良犬をフェンスに投げつけるの、人間が人間にふるう暴力シーンよりよっぽど暴力的でよかった。
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