いわやん

君が若者ならのいわやんのレビュー・感想・評価

君が若者なら(1970年製作の映画)
3.9
深作欣二監督。

それぞれに過去を持つ若者達の青春ストーリー。

炭鉱から上京した喜久男と麻男。
同じ就職先で知り合った清に竜治に一郎。
勤め先の町工場が倒産し、みんなが疲弊してたときに竜治がボクサーとして4回戦デビューに。
みんなで応援に行くが竜治へのヤジに激昂して乱闘騒ぎに。
そろってブタ箱に。
その中で5人は夢を語り合い、当時高度成長期で需要の高かったダンプに憧れて、ダンプカーの購入で独立しよう!と。
彼らはその目標に向かってそれぞれに頑張るけど・・。

「仁義なき戦い」以前に撮られた深作作品で、斜め構図の絵や、ハンディカメラの多用と視覚的にも深作ワールドな作品です。

夢のダンプを購入してからの若者のそれぞれのエピソードも丁寧に描かれていて、ダンプ一筋に頑張った喜久男と麻男との対峙がドラマのうねりと、若者ならではの苦悩、やるせなさが。

衝撃のラストと、喜久男、麻男の心情には作品を引き締める「重さ」を感じました。

「パパと呼ばないで」「雑居時代」「気になる嫁さん」「水もれ甲介」と売れっ子俳優になる前夜の「石立鉄男」と寅さんシリーズで不動の位置を築く「前田吟」のダブル主演で、この二人の絡む作品は珍しく、お互い熱量の高い演技をするので、この二人の主演のテレビドラマも観て見たかったですね。
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