青二歳

エノケンの孫悟空 前編の青二歳のレビュー・感想・評価

エノケンの孫悟空 前編(1940年製作の映画)
4.2
エノケンが孫悟空。ほかエノケン一座が多数出演。そして円谷英二が特撮!
これは面白い…1940年の日本の文化成熟度を痛感できる。孫悟空という素材に、適当なSF素材、童話や時代劇等のパロディ尽くし。パロディという笑いは、やはり文化なり歴史なりの"物語"が、社会に共通認識として通底していることを要求すると思いますが、笑いの完成度にただただ感動。
能狂言もパロディなり本歌取りが多いので、日本やっぱりすげえなぁと痛感しますが、そりゃ戦前にも完成されてておかしくないわな…

三蔵法師(ちゃんとオッサンが演じてる!)の秘密道具に千里眼のような鏡が登場しますが、これにエノケンが感心していると、沙悟浄が「おめえ知らねぇのかい、これが"てれびじょん"つーのよ」とか!
「姫さま、三蔵法師の味付けはどのようなソースがお好みですか?」「では塩で!」→「さすが姫さま、なんと趣味のよろしい」
もうね、楽しくて仕方が無い。
鑑賞のチャンスがあれば、ぜひお見逃しなく。
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